いまから始める予備試験口述対策①

1 はじめに

 今日からは夏休みに口述対策をするひとのために予備試験の口述対策についてまとめたいと思います。今日は口述試験の全体像をまとめますので、明日以降、民事と刑事の対策を書きたいと思います。

 

2 口述試験の概要

 今年平成29年度の司法試験予備試験の論文合格発表は10月12日(木)です。そして口述試験は10月28日、29日に実施されます。

「法務省webページ」http://www.moj.go.jp/content/001200518.pdf

 

 論文合格発表から口述試験までは約2週間しかありません。ですから、予備試験の論文試験を受けて口述試験を受ける可能性のある人は、最低限、口述試験がどんな試験かを把握しておきましょう。

 

 口述試験は2日間連続で実施されます。民事実務と刑事実務の2科目をそれぞれの日程で消化します。以下は平成28年度口述試験の出題内容です。

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 この法務省の発表から分かるように、初日民事組と初日刑事組に分けられます。当然ですが、初日と2日目とで試験内容は異なります。

 初日民事組と初日刑事組に分けられますが、そこからさらに午前組と午後組で分けられます。つまり、初日を基準とすると、①民事午前組、②刑事午前組、③民事午後組、④刑事午後組の4つに分かれます。その分類は、論文合格発表の約1週間後に届く論文試験成績通知と口述試験受験番号通知で初めて明らかになります。

 試験は浦安市にある法務省の施設で行われます。都内在住の人であっても午前組ならば、周辺のホテルに泊まっている人もいました。遠方に住んでいる人でなくとも、午前組に入ればホテルをとるという人もいると思います。ですから、口述を受ける可能性のある方は事前にそのあたりのリサーチをしておきましょう。

 ちなみにぼくは両日とも午前組でしたが、都内の自宅から直接会場まで向かいました。 

 

3 口述試験の採点基準

  以下、法務省が発表している採点方針です。

 

http://www.moj.go.jp/content/001209445.pdf

 

 口述試験の採点は少し特殊で、一応の基準に達すると60点という「基準点」がつきます。だいたい受験者の半数がこの基準点になるように運用されるようです。

 具体的に考えてみましょう。民事と刑事両方で基準点60点をとれば、「総合得点120点」となります。過去の口述試験の合格点はすべての年で「総合得点119点」ですから、基準点をとれば合格します。この合格点を考えると、いずれか一方の科目で基準点60点を取れれば、他方の科目でミスをして基準点に達しなくとも合格します。

 みなさん民事、刑事の得意・不得意があると思います。大切なのは、どちらかの科目で確実に基準点を取ることですから、それを踏まえたうえで口述対策をすることになります。要するに完璧にできる必要はないということです。

*ちなみに口述試験の成績通知は「総合得点」の記載しかないため、各科目ごとの得点は分かりません。

 

 あとの記事でも述べますが、ぼくは得意の民事が初日でした。なので、民事で確実に基準点を取れば、あとの刑事は失敗しても問題ないというマインドで臨めると考え、民事を中心に(特に最初に問われる「訴訟物」、「請求の趣旨」)口述対策をしました。

 

4 当日のタイムスケジュール

 まず集合時間は、午前組は8:30、午後組は12:00です。集合場所は体育館のような広い空間です。そこにパイプ椅子が並べられています。その椅子で自分の順番がくるのを待つことになります。待機中、携帯等のデジタル機器は一切使用することができません。ただし、紙媒体の本は読めます。

 その後、自分の試験となります。試験はビジネスホテルの一室のような部屋に試験官2人と対面方式で行われます。試験時間は1人あたりおよそ20-25分くらいです。

 試験を終えることになりますが、午前組は午後組の集合が終わるまで帰宅できません。僕のときは、12:40ごろに解散となりました。他方、午後組は口述試験を終えた人から順次帰宅することができます。

 午前組は自分の試験を終えると一室に集められ、上記のように午後組の集合完了を待ちます。待っている間、携帯は使えませんが、紙媒体の本は読めるので待機中、次の日のテキストを持参して勉強してもいいと思います。僕は勉強する気が起きなかったので、当時読み進めていた小説を読んでいました。笑

 

5 さいごに

 それでは次回は民事実務の対策について書きたいと思います。