予備試験口述式:刑事実務の対策
1 はじめに
前回は口述試験の民事実務の対策について整理しました。今回は、民事科目の対策について書きます。*試験対策は人それぞれですから鵜呑みにせず、1つのサンプルとしてご覧ください。
2 刑事実務の出題範囲
刑事実務の出題範囲はざっくり整理すると以下の通りです。
①実体法(刑法)の知識
②刑事手続の知識
(③法曹倫理)
3 具体的な対策
ぼくが口述のために2週間でとった対策を書きます。冒頭でも書きましたがあくまでも1つのサンプルとして参考にしてください。
まず①実体法(刑法)について。過去問を見てるとわかるのですが、論文試験のような事案を口頭で読み上げられて、罪責を処理するという形式です。その中で構成要件該当性などが問われます。やっている内容は論文刑法と同じという認識でいいかなと思います。ですから、論証の復習と体系的な刑法の知識の復習をしました。
口述の特殊性としては、(当たり前ですが)事案を口頭で読み上げられる点にあります。文字を追って事案を把握するのではなく、事案を頭の中で整理する必要があります。当然メモをすることもできないので、多少の慣れが必要です。ですから、可能なら誰かに事案を口頭で読み上げてもらって、頭の中だけで事案を整理する練習をしておきましょう。
また平成28年では、ある論点について一通り解答された後に「あなたの見解は、判例と同じですか?」という感じで判例の見解について問われました。今後もこのような問われ方がされるかは分かりませんが、一応判例の立場を正確に復習しておきましょう。ちなみに、この問いに対して「私の見解は判例と同旨です。」とだけ解答しました。この解答に対してそれ以上、つっこまれることはなかったので、あまり神経質にならなくてもいいかなという印象です。
次に②刑事手続の知識について。これは刑事訴訟法・規則を含めてかなり細かい条文知識まで問われます。勉強の方法としては「捜査→公判」の流れにしたがって刑事手続きを復習し、その中で条文を丁寧に引くことに尽きると思います。刑事手続きの復習は予備校のテキストでもなんでもいいと思います。ぼくは『入門 刑事手続法』(三井・酒巻)を使っていました。
また余裕があれば、刑訴法短答の刑事手続が出題されている過去問を解く中で、刑事手続きを復習しておきましょう。
4 さいごに
これで一通り口述試験の対策について書きました。口述式は多くの受験生にとって初めての試験形式だと思いますから、必ず口述模試を受けて口述式に慣れておきましょう。
なにか質問があれば、DM等でしてください!