夏休み突入!刑訴法の学習方法

1 はじめに

  前回の民訴法に引き続き、今回は論文刑訴法対策のための学習方法を書きたいと思います。

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2 論文刑訴法の考え方

 インプットはアウトプット(論文)を前提として行うことが大原則ですから、まずは論文での刑訴法の考え方を確認します。

 

 刑訴法は大きくわけて捜査法証拠法という2つの分野から出題されます(*その他は訴因制度が問われます)。

 そして刑事手続は犯罪事実を認定するために行われるものです。そのため、捜査の適法性(捜査法)や証拠としての法的適格があるか(証拠法)という問題はすべて犯罪事実を認定するという目的に直結します。

 具体的にいうと証拠法の問題では「◯◯の証拠能力は認められるか。」という形式で出題がされます。例えば、伝聞証拠該当性の問題の場合を考えてみます。仮に伝聞証拠に該当すれば原則として、証拠能力が認められず証拠として用いることができなくなります。その結果、原供述により犯罪事実を立証することができなくなります。

 捜査法も同様です。捜査法の問題では「◯◯の捜査の適法性について論じなさい。」という形式で出題がされます。これも最終的には、当該捜査により得られた証拠を用いて犯罪事実を立証できるかという問題です。つまり、仮に当該捜査が違法であれば、その違法捜査から得られた証拠は違法収集証拠として証拠能力が認められない可能性があります。その結果、当該証拠により犯罪事実を立証することができなくなります。

 したがって、捜査法・証拠法の問題はいずれも、当該捜査・証拠により犯罪事実を立証できるかという視点を持って論じる必要があります。

 

3 インプット(基本書の通読)のポイント

 まず捜査法の問題。前提として上記のように当該捜査が違法捜査であれば、違法証拠として証拠能力が否定される可能性があります。そのために、当該捜査の適法性を論じます。

 捜査の適法性を判断するためには、各捜査の根拠条文を認識しておく必要がありますから、基本書を読みながら根拠となる条文を逐一引きましょう。

 

 つぎに証拠法の問題。証拠能力は①自然的関連性があり→②法律的関連性があり→③違法収集証拠でない場合に認められます。ですから、証拠能力が問われた場合に①②③のうちどのレベルの問題かを正確に理解したうえで論じる必要があります。たとえば悪性格立証や伝聞は②法律的関連性の問題です。このスタート地点を間違えると得点できませんから、この点を意識して基本書を読み進めてください。

 

4 さいごに

 それでは刑訴法はここまでにします。

 つぎは行政法について書きたいと思います。

                                 2017.8.4