夏休み突入!民法の学習方法
1 はじめに
前回は「夏休み突入!基礎力とは?」という記事を書きました。
Twitterでも多くの反響がありました。そこでこの記事以降は各科目の学習方法について ブログを書いていこうと思います。ちなみにぼくは憲法ができないので、それ以外の科目限定です笑
初ブログ書きました。司法試験・予備試験にとっての「基礎力」について僕なりに考えてみました。夏休みの勉強の参考にしてください。https://t.co/g5MM5qc4jl
— 大林尚人 (@obayashi_nao) 2017年7月29日
ぼくは平野裕之ゼミOBなので、まずは民法から書いていきます。なおこの記事は一通り民法の勉強を終えた方(予備校の入門講座を受講し終えた方)を想定して書いていきます。
どの科目にも共通することですが、インプットはアウトプット(論文)を前提として行うことが大原則です。ですから、民法の学習方法云々をいう前に論文民法の考え方を押さえておく必要があります。
2 論文民法の考え方
論文民法は、「訴訟物を正確に特定すること」これに尽きます。訴訟物を間違えた民法の答案用紙の価値はチリ紙くらいの価値しかありません。そのくらい大切です。
ただ訴訟物は「債権的請求」・「物権的請求」・「法定請求」のどれかですから、意識していれば間違えることもないと思います。
訴訟物を特定したら、次は「請求原因」を検討します。たとえば、「所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権」が出題されたとします。この場合は、①現在における原告の土地所有権、②現在における被告の土地占有に当たる具体的事実が請求原因となります。
そして「請求原因」のあとは「抗弁」を検討します。以下「再抗弁」‥と続いていきます。
論文民法のまとめ
「訴訟物」→「請求原因」→「抗弁」の順で検討していく。必ずこの順序を守ってください。順序は入れ替われば体系的な理解を疑われます。つまり、基礎力がないということです。
3 インプット(基本書の通読)のポイント
「請求原因」についてのインプット(基本書の通読)のポイントは、請求原因と関連付けて基本書と条文を読み進めるということです。例えば、上の具体例①現在における原告の土地所有権に関連する話だと、所有権の承継取得原因には売買・贈与などがあって、所有権は意思表示だけで移転するな(民176条)。原始取得原因だと取得時効があるな。取得時効には短期と長期があって要件は‥‥というふうに自分で関連事項を掘り下げていきます。そして関連する基本書のページと条文を読んでいきます。この読み方だと、効率的に知識が身につきますし、なにより論文と関連付けて読むので実際の論文試験で読んだ内容が蘇ってきます(まじです笑)。
「抗弁」について、上の具体例だと、賃借権の抗弁・対抗要件具備による所有権喪失の抗弁‥‥があるな。賃借権って債権だけど時効取得できたっけ?対抗要件具備による所有権喪失の抗弁ってことは二重譲渡の話だな‥‥というように抗弁以下の同様に自分で関連事項を掘り下げていきます。その中で同様に基本書を読み進めていきます。
4 さいごに
今日はこのくらいにします。次回は商法(会社法)かな?
質問は、お気軽にDM、リプライ等でしてください。 2017.7.31