夏休み突入!会社法の学習方法
1 はじめに
前回の民法に引き続き、今回は論文商法対策のために会社法に絞って勉強法を書きたいと思います。
2 論文商法(会社法)の考え方
前回も述べたようにインプットはアウトプット(論文)を前提として行うことが大原則ですから、まずは論文での会社法の考え方を確認します。
会社法の論文でまず最初に確認しなければならないのが、その会社の機関構成です。対象となる会社の機関構成によって会社法による規律が変わってきますから、これを間違うと死にます。特に対象会社が「公開会社or非公開会社」、「取締役会設置会社or取締役会非設置会社」かは必ずチェックしてください。
ぼくは答案構成のときにこういう感じで機関構成を書き出して確認していました。よかったら参考にしてください。
*持株比率を書いておくのを忘れていました。上の図だと「A」、「B」、「P社」の横にそれぞれの持株比率を書いて、必ずそれをチェックしてください。これすごく大事です。
会社法の論文問題は、新株発行の有効性を検討させる問題など「当事者間の法律関係を検討する問題」か、株主代表訴訟や取締役の報酬請求など「ある当事者から誰かに対して何らかの請求または責任追及をする問題」に分類できます。
ですから、民法と同様に「訴訟物を特定すること」が大切です。まあ会社法は民法の特別法ですから、当たり前ですよね。
したがって、訴訟物を特定したあとは、請求原因を検討していくという流れは民法と同じです。会社法は条文数が多く、条文を引くのが苦手という人が多い印象です。しかし、条文さえ引ければ、条文に要件が書いていますからそれに該当する具体的事実を請求原因として書けますから簡単です。「会社法は条文ゲーム」と言われるのはこういう意味なんですね。
論文会社法のまとめ
「機関構成を確認」→「訴訟物を特定」→(条文を引いて)「請求原因」を書く
3 インプット(基本書の通読)のポイント
論文会社法は上のようにまず「機関構成を確認する」ところから始まります。なのでそれぞれの機関について、その存在意義やその権限については条文を見なくとも、ある程度理解しておかなければなりません。ですから、基本書の機関のところを読む時は実際の会社機関構成の図を書いて、その機関の存在意義(制度趣旨)と権限を関連付けて(例えば、監査役は取締役の職務執行を監査する機関だから、取締役会に出席して必要に応じて意見を述べる必要がある) 読み解いてみてください。
そして会社法は要件が書いている条文が離れていたりするので、基本書を読みながら逐一条文を引いてください。そういった作業が「訴訟物を特定」→「請求原因」のフェーズで役立ちます。
4 さいごに
これで会社法は学習方法は終わります。最後におすすめの基本書を紹介します。下の「会社法」(田中亘)です。ぼくはこの本がでるまでリークエを使っていましたが、リークエは理由づけが書いていなかったり、薄かったりして試験対策としては物足りなさを感じていました。ですが、田中先生の本は理由づけもしっかり記載しており、行間も丁寧に論じられています。なので、この本一冊で十分だと思います。もし、どの会社法の基本書を買うか迷っている方がいれば、この本を読んでみてください。
次は、民訴法の学習方法を書きますね。 2017.8.1